はぴねす2011年9月



存在の価値
牧師 藤波勝正

8月の末にサントリーホールで行われた「愛の泉」チャリティーコンサートに家内と行き、楽しいひと時を過ごしてきました。学生時代からクラシックのコンサートに行っていますので、毎年のように開かれるこのチャリティーコンサートは楽しみの一つです。今年もいつものように東京交響楽団の演奏で、バイオリン、ソプラノとバリトンの独唱もありました。アンコールは、こひつじ学園の卒園式で使っているエルガーの「威風堂々」でしたので、何とも言えない感動を覚えながら家路につきました。

このチャリティーコンサートは、キリスト教精神で世界各国に援助活動を行なっているワールド・ビジョン・ジャパンと国際開発救援財団の働きを支援するためのものです。今年はそれに加えて東日本大震災の被災者支援も掲げられました。会場入り口に寄付の箱が置かれ、毎年2000万円前後の寄付があり、有効に用いられています

コンサートの実行委員会には山崎製パン社長、玉の肌石鹸社長、日清製粉名誉会長、ミヨシ油脂代表取締役などの一流企業の社長が含まれています。また、多くの有名企業が会社として応援しています。

私はワールド・ビジョン・ジャパンと長く関係がありますので、実行員会からのご招待で何度もコンサートに行っています。これだけのコンサートの入場券を買うとしたらいくらになるでしょうか。招待で行っているにもかかわらず、関係者の皆さんからお礼を言われるのは不思議に思います。

このコンサートのためには、出演した方がたのほか、演奏会の進行のためのさまざまな労、事務局、当日の細々した仕事をしてくださった多くの方がたの愛の働きがありました。私がしたことは、ご招待を受ける返事をし、当日足を運び、演奏に感動して拍手したことです。しかし、コンサートが成功する大事な要素は、多くの人々が演奏に耳を傾け、愛に満ちた拍手が起こるということです。

何かの行事に出ることしかできないと卑下する場合があります。しかし、参加することは協力の意思を表わす大事な行為であり、多くの人々を励まします。参加するだけのことが、行事が成功するための大事な要素の一部なのです。

聖書には、「働きにはいろいろの種類がありますが、神はすべての人の中ですべての働きをなさる同じ神です」(Tコリント12:6)というみことばがあります。神様はすべての人を必要とし、すべての人に働きを与えていてくださるのです。私は自分の母と家内の母の面倒を最後まで見ることができました。二人ともある程度の年齢までは多くの仕事をしてきましたが、加齢とともになすべき分は少なくなり、最後にはベッドで寝ているだけの生活になりました。しかし、その存在そのものが教会にとってとても大切なものでした。

神様は、すべての人をさまざまな働きのために必要としておられるのです。



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