こひつじひろば  2008年度2号




年間テーマ: 「自分」を生きる
――みつける――
 さまざまな不安と期待の中でスタートした子供たちですが、2週間たって園内のようすも落ち着き、楽しい遊びを見つけたり、何となく気のあう友達ができて隣に座って工作をしていたり、砂場で遊んだり、レールを長くつないで列車を走らせたり、保育時間の30分の延長も気にならないくらい楽しく遊びを見つけています。
 在園の子供たちは、3月までとはまったくようすが変わって、先生に声をかけてもすぐにかかわってもらえず、「先生、たいへんだね」「先生を助けなきゃ」とよく協力してくれ、片付けたり礼拝のいすを準備してくれたりし、いとおしさを感じるとともに成長している姿を見てうれしく思いました。
 新しく入園した子供たちは、2、3日は大騒ぎでしたが、少しずつ慣れてお母さんと離れることができるようになり、大好きな先生に一緒に遊んでもらえることで、安心して遊べるようになり、落ち着いてきました。また、年長のお姉さんたちが不安の中にいる年少の子供たちに声をかけて迎えてくれ、少しずつ遊び始めるようになりました。園のルールもわかってきて、遊んでいたい気持ちを我慢して片づけることができ、礼拝をささげることもでき、おやつもいただき、帰りまでの時間が流れるようになりました。5月は、楽しいことをたくさん見つけて、遊びを広げていきたいです。

ピクニック 〜雨雲なんて吹き飛ばせ!〜
 みどり組にとって初めてのお楽しみイベント。それは、「みどりの広場」へのピクニック! けれども、予定されていた日はあいにくの雨模様。さぞや子供たちもがっかりしているかと思えば、「明日の天気予報は雨マークなかったよ!」「ピクニック行けなくてもおやつは食べられる」と前向きでした。
 そんな子供たちの姿にこたえてくれたかのように、次の日は天候も守られてピクニックに行くことができました。朝、出発前に配られたのは、「みどりのひろば たんけんちず」。六つのチェック項目に草花や虫などの写真があり、見つけることができればシールを貼ります。広場に行く道のりの前半では一つ二つのシールを貼ることのできた子もいましたが、途中の坂道になるとシールを貼るどころではなく、「疲れたー!」「まだ着かない……」とへとへとの子供たち。それでも何とかみどりの広場に到着すると、ごほうびのように「2色のチューリップ」を全員が見つけることができ、シールを一つペタッ。
 昼食を済ませて自由時間になると、引き続き草花や虫を探したり、大きな岩に登ったり、ドロケイをしたりと楽しく過ごしました。たいへんな道のりでしたけれど、自分の力で行って来られたこと、子供たちにとって自信となったことと思います。「たんけんちず」も、チェックできなかった項目を身近なところで探せるといいですね。

「よろしくね!」 〜握手を交わし〜
 入園式や始業式からあっという間に1か月がたちました。初めは不安いっぱいで、涙を流しながら登園してきた子供たちも、幼稚園の楽しさを知り、大好きなお父さんやお母さん、おうちの方たちと離れて過ごせるようになったことに大きな成長を感じています。
 そんな少しずつ慣れてきた中、初めてのクラスごとの活動が行なわれました。き組はピアノのある真ん中の「サムエル」というお部屋に集合! 先生に『おおきなかぶ』の絵本を読んでもらったあとは、自己紹介タイムです。一人ずつ前に出て行き、「お名前は何ですか」「好きな食べ物は?」という先生のインタビューに答えました。
 元気よく自分の名前を言うことができたき組の子供たち。好きな食べ物の質問では、みかんやメロンといった果物から納豆まで、幅広い個性あふれる回答を聞くことができました。
 インタビューのあとには、「よろしくね!」の意を込め一人一人と握手を交わした子供たち。一人一人の成長はもちろん、今後、クラスとしてどのように成長していくのか、とても楽しみです。

はじめの一歩 〜それぞれの歩み〜
 おうちの方と離れて初めて一人で歩み始めた子供たち。入園当初は、「ママがいい!」「お母さんといたいよー!」と涙がボロボロで先生に抱っこの子供たち。お姉さんに手を引かれ、緊張しながらもいろいろな遊びに挑戦していく子供たち。自分のやりたいことを次々に見つけて元気に遊ぶ子供たち。13人の一人一人が違った姿でスタートしました。そして今、それぞれの子供たちの笑顔が日に日に増え、楽しく遊ぶ姿が多くなってきてうれしく思います。
 入園して毎日しているのが礼拝です。初めは椅子に座っていられずに脱走して、一人連れてくればまた一人が逃げたり、「賛美歌を歌うから立ってください」と言っても絶対に立とうとしなかったりしていました。しかし、1か月たった今、礼拝で短いお話ならちゃんと座って聞いていられるようになりました。賛美歌も、先生を見ながら手の振りを真似して楽しく歌ったり、目を閉じて手を組んでお祈りをすることができるようになり、子どもたちの変化に驚かされています。
 今は元気に来ている子供たちも、この先、時には行きたくないと言い出したりして心配になるかもしれませんが、慣れていくペースはそれぞれ違いますので、焦らずゆっくり見守ってください。笑顔で「いってらっしゃい」を言い、「がんばったね」と抱きしめてあげることが大きな励みになります。一人一人との信頼関係を大切にし、それぞれの歩みに寄り添い、安心して過ごせるよう配慮していきたいと思います。





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