こひつじひろば  2008年度3号




年間テーマ: 「自分」を生きる
――自分らしく――
 2か月もたつと園のようすが変わってきました。自分が何番目に登園してきたとか、バスより早く着いたとか、○○ちゃんはまだ来ないかな? とか、○○ちゃんはお休みとか、周りを気にするようになってきました。
 降園後に遊ぶ約束ができたり、互いに心を通わせて遊んだり、自分の思いを表現できるようになってきたのは、安心して行動することができるようになってきたことだと思います。
 何をして遊びたいか、だれと遊びたいかという気持ちがはっきりしてくると、トラブルも多くなってきます。仲良く遊ぶことは大切ですが、毎日の生活で出会うことを通して相手の気持ちに気づくようになったり、状況がわかるようになったりします。気持ちの行き違いやトラブルの場面は、子供が相手の思いに気づく大事な時なのです。子供が自分の思いをことばや行動に表わせることは、自己表現ができるようになってきたことですし、我慢することを知ることは、大きな成長の一歩なのです。
 遊びの時間は、子供にとって欠くことのできない大切な時間です。子供の心にゆったり寄り添って、何が楽しいと感じているのか、何がおもしろいと感じているのかを内面的にとらえて見ていくことを大事にしたいです。

ミニトマトの栽培 〜早く大きくなーれ!〜
 5月のみどり組さんは『そらいろのたね』を読んで製作帳を作り、さらにミニトマトの栽培を始めました。最初のクラス活動ではみんなで図鑑を見て、ミニトマトがじゃがいもの仲間ということやたくさんの太陽の光とお水がご飯だということを知り、みんなで順番に水やりをすると決め、赤、青、緑、紫の四つの水やり当番のグループを作りました。次の活動では土作り。大きな鉢に底石、野菜用の土、肥料をたっぷり入れ、ミニトマトを植えました。
 「重い、暑い、疲れた」と汗まみれで作った土ですから、ミニトマトも喜んで葉を伸ばし大きくなっていく中、1週間目に大事件が! 二つあるうちの一つの苗が大雨で折れてしまったのです。折れた苗を挿し木したのですが元気がなく、子供たちは水やりのたびに「がんばれ!」を声をかけていました。そんな中、2週間目には無事なほうの苗に黄色い花が咲き、一つ二つの実がつき始めました。子供たちは「トマトができた!」と友達に教えて回り、「早く赤くならないかな」と楽しみに待っています。
 そして、3週間目、なんと折れたほうの苗にも花が咲き、小さな実ができてきました。これには先生も子供たちもびっくり。ミニトマトの生きる力に感動し、育てていく中で大変さも喜びも経験することができた子供たち。収穫が待ち遠しいです。

お菓子作り 〜グミキャンディ〜
 こひつじ学園のお誕生会では、毎月、子供たちの手づくりお菓子を食べながら楽しいときを過ごしています。4月はみどり組さんが作ってくれたゼリーをみんなでおいしくいただきました。5月のお菓子作り当番はき組の子供たち。今回はグミキャンディ作りに挑戦しました。
 グミに必要な材料は、ゼラチン、お砂糖、はちみつ、果汁100パーセントジュース(今回はオレンジとグレープ)です。子供たちの作業は、材料をボウルに入れたり、かき混ぜたり……。食べ物を目の前に、上機嫌でやる気満々の子供たちでした。材料が加わるたびに「ワァーッ! いいにおい」「キャー! 見て見て、固まってきたよ」と微妙な変化も逃さず、お祭り騒ぎのお菓子作りとなりました。
 次の日には、冷蔵庫で冷えて固まり、完成したグミに「すごぉーい! きれーっ!」「おいしそう」と自画自賛。製氷皿からグミを一つ一つ取り出す姿は、いつになく「真剣」でした。おやつタイムには、たくさんあったはずのおかわりもあっという間に完売! 大好評のグミキャンディでした。

ピクニック 〜小さな手を引かれて〜
 「先生、見て!」とピカピカの水筒を見せてくれたり、「(おやつに)コアラのマーチ持ってきたよ」とピクニックを楽しみにしていたあか組さん。ピクニックのときは、縦割りの三つのグループ(ピンク、イエロー、ブルー)に分かれてお弁当を食べます。先生に「リストバンドの色が同じお友達と手をつないで行くよ」と言われても何のことだかわからないでいると、「一緒に行こう!」「一緒に手をつなごう」とみどり組が誘いに来てくれました。うれしそうな子もいれば、嫌ともいえず最初は固い表情の子、ちょっと嫌がる子もいました。けれど、気を使って優しく連れていってもらい、少しずつ緊張がとれていくようでした。おしゃべりしたり、名前を聞きあったり、そのままお隣に座ってお弁当を食べようと約束していた子供たちもいました。帰りにはすっかり安心して手をつないでもらい、次の日も一緒に遊ぶようになりました。ピクニックをきっかけに子供どうしが仲良くなれたことをうれしく思います。
 ピクニックでは、原っぱに直行するのではなく、土手を一周してから原っぱに行くこともありました。そのときも、思い荷物で歩くのがやっとで途中で嫌になってしまう子も、しっかりリードされて引っ張って連れていってもらいました。今のあか組さんも、いずれは引っ張ってあげる側の優しくてたくましいお兄さんやお姉さんになることと楽しみです。
 原っぱでは、お弁当を食べたあと、おやつを交換したり、お花を摘んだり、思い切り走ったり、かくれんぼしたり、 心も体も解放されてのびのびと遊び、とても楽しそうな子供たちでした。





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