こひつじひろば  2008年度7号




年間テーマ: 「自分」を生きる
――気づく――
 プレイデイ、大型バスの遠足も終わり、子供たちの仲間意識が強まってきたことに気づかされます。園生活もすっかり自分のものとなり、自信もつけ、周りのことも見えるようになっていろいろなことに気づくようになってきました。自分の気持ちや考えを伝え合い、話し合っていく中で、悩んだり悶々と過ごすことがあっても、それは大事な時期なのです。解決した時には大きな自信となり、思いやりの心や我慢の心が育ちます。
 子供たちが楽しみにしているものの一つに、園長先生との朝のあいさつの握手があります。バスの運転を終えた園長先生は、子供たち一人一人と握手でおはようのあいさつをしています。初めは先生のほうから手を出して握手をしていましたが、子供たちにとってその時間が楽しみの時間になり、子供たちのほうから飛んできて握手をするようになり、集団で握手をしたりしています。遊んでいても遊びを中断して握手に来ます。握手をしている友達の姿をじっと見ていてなかなか勇気が出せない子、先生から声をかけて手を出しても、本当は握手をしたいのに出を出せない子、近づいてきては一歩を踏み出せない子もいます。そんな子の一人と握手ができました。その子もうれしくてうれしくて、3回も4回も握手しに来ていました。一つの壁が崩れることの大きさに気づかされました。

なわとび 〜バンドエイドはがんばったしるし〜
 さわやかな秋の陽気で気持ちも開放的になり、子供たちの遊ぶ姿はダイナミックです。今月のみどり組のクラス活動では、そんな姿を生かしてなわとびに挑戦してみました。初めは、「へびさん」やぴんと張った縄を飛び越えたりくぐったりするところから始めました。さすがにみどり組ですのでここまでは余裕です。次は「波」を1回ずつ。できる子は止まったまま連続で波にチャレンジ。最初の子の活動で波38回(!)という記録も出て、この記録を越えようと自由活動でもなわとび遊びに火がつきました。みどり組バージョンの「なわとびカード」を作ってもらい、跳んだ回数だけではなく、「大波小波」、「郵便屋さん」、一人なわとびの「前回し跳び」や「後ろ回し跳び」などの技にも挑戦し、毎日「できたー!」という喜びの声をあげている子供たちです。今現在の記録は、なんと「大波小波」124回です。
 記録を競い合いながらも、お友達が跳べないで落ち込んでいると自分がお手本に跳んでみたり、跳べるようになると抱き合って喜んだり、友達とのより強い絆を持つことができたと思います。毎日膝小僧にバンドエイドを張って誇らしげな顔で帰る子供たち。強い体と心を養って成長しています。

森と水の公園 〜成長とやさしさを感じて〜
 あざやかに晴れ渡った10日の金曜日、ピクニックに行きました。歩いて、大好きな電車に乗って、また歩いて……やっとの思いで着いた所は「森と水の公園」です。名前のとおり自然に囲まれた公園で、どんぐりや栗に触れたり、沢ガニや大きなクモやバッタを発見したり、秋に触れて自然を感じることができ、豊かな時間となりました。もちろん、大好きなお菓子タイムの子供たちの表情は、今回も輝いていました。冷静に考えれば、お菓子はお家に帰ったからでも食べられるものなのですが、遊ぶ時間を犠牲にしてまでおいしそうに頬張る子も……。
 しかし、今回のピクニックは「楽しい思い」ばかりではなかったようです。幼稚園から飯田岡駅、相模沼田駅から公園という合わせて1時間以上の道のりを歩くことは、子供たちにとって決して容易なことではありません。そこで見られたのが、みどり組の子たちがき組やあか組の子供たちの手を引いていく光景です。年上の子が年下の子をリードして歩くという優しさや頼もしさもさることながら、昨年や一昨年はリードされていた子が今年は自分が歩けるようになり、またリードする側になったという一人一人の成長した姿に感動を覚えました。
 今年のき組さんは来年はみどり組に。そのときにどんなリードを見せてくれるのか、今からとても楽しみな思いです。。

実りの秋 収穫の秋
 10月に入り、初めてあか組だけで原っぱにお散歩に行きました。プレイデイのオープニングで使ったかごを持ち、ぐりとぐらがどんぐりや大きな卵を見つけたみたいに、秋探しに出かけました。早速、「あ、きのこだ!」と発見する子。「どこどこ?」と集まってみんなで見ました。喜久子先生がチカラシバの種の根元から指で引っ張ると栗のイガに似ていると教えてくださると、「私も栗ほしい!」「僕も!」とみんなでやってみました。ねこじゃらし、あかまんま、オナモミ、そして大きなバッタ……。見つけて触れて楽しみました。
 今年も、植えも水やりもしていないのに、サツマイモを収穫させていただきました。暖かい日を浴びながら秋の草花の茂る土手を歩いて畑に行きました。傷つかないように優しく土を掘ると、お芋が顔を出しました。太っちょなのや曲がったの、大きいのや小さいの、いろいろなお芋がありました。すぐに蒸して食べると、ホクホクで甘くて皆とてもうれしそう。おかわりもたくさんしました。
 森と水の公園にピクニックに行く途中は稲刈りをしているところを見たり、秋のお花が咲いていることに気づいたり、公園ではどんぐりやカニを発見したり、豊かな自然の中を探検し、走り、楽しく過ごしてきました。
 神様のつくられた自然を感じ、味わい、楽しめた10月でした。





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