はぴねす2006年1月



年の初めの目標
牧師 藤波勝正
 「目標を立てなさい」「夢を持ちなさい」とよく言いますが、私の場合、目標を立てたり夢を持ったりするたびに失敗する弱い自分を見いだし、自分で自分に失望することがよくあります。特に新しい年を迎えると、多くの人が目標を立て、その目標を達成するために何をしなければならないかを考えて歩み始めます。私などはその決意を1週間保てればいいほうで、いつの間にか、立てた目標さえも忘れ、以前と同じ生活をしている自分に気づきます。
 人間は1年間の行動さえうまくいかないものですから、遠い将来に関する目標を立てて、そのときに考えたとおりの行動をすることは不可能に思えます。しかし、「夢を持ち続けなさい」「必ず実現すると考えなさい」「自分を信じなさい」と成功を夢見ることがよく勧められます。この考えを「可能性思考」と言いますが、ある有名な牧師が書いた『あなたは思いどおりの人になれる』という本がもとになっているのではないかと私は思っています。この本はアメリカのビジネス界で、そして日本でも多くの人々に読まれたと聞きました。
 この牧師の考えの中心は、「できるのだと考えること」という言葉に要約できると言います。彼は、まず目標を立てること、次にその目標を公言することによって真剣な努力を人々に示すこと、できるのだと考えることから次々と自由に考え、その中から最善の策を決定することを勧めています。また、できるのだと考えて踏み出すときに予期しない方面から援助が持ちかけられてくるものであり、その時、目標はすでに半分達成されていると考えなさいと書いています。
 たしかに、この牧師の言うとおり、人生には目標が必要ですが、その目標は正しい目標でなければなりません。そして、その目標を自分の努力だけで達成することはできません。
この「可能性思考」における最も大切な点は、全能の神が存在してすべてを導き、必要な助け手を与え、必ず目標を達成させてくださると信じることです。神が私たちに必要な知恵と支援する方がたを与え、協力と援助の道を必ず開いてくださると信じるのです。神が必ず働き、必要な知恵と助けて、問題解決への道を与えてくださると信じるのです。ですから、「可能性思考」の原点は、神の愛への信頼、神への信仰、神への祈りです。
 たとえ「可能性思考」で歩みだしたとしても、さまざまな困難に直面し、落ち込み、悩むことが多くあります。そのような時、生ける真実な神を信頼し、神に不安をそのまま訴え、助けを祈り求めるなら、ほかのところでは得られない平安が与えられ、知恵や助け手が与えられて勝利に導かれます。
 聖書に「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです」(ピリピ4:13)という言葉がありますが、真の「可能性思考」とは、全能の神への信頼を心に持ち、その神への信頼を告白し、その主とともに歩むことです。そうするならば、主は私たちを強くし、目標まで導いてくださいます。
 ただ単に「可能性思考」で生きていこうと決意するだけではなく、与えられた目標を可能にしてくださる神を信じていただきたいのです。主は弱い者をも愛し、きよい力を与え、私たちを導いてくださる方なのです。


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