こひつじひろば  2004年度10号 〜大島卒園旅行編〜




おおしま 〜そつえんりょこう〜
 お泊まり会、プレイデイ、クリスマス会といった行事を通し、とても大きく成長してきたみどり組の14人。卒園まで、残すところ2か月となった子どもたちが、今回、大きな大きな旅に出ました。「卒園旅行」という名の旅に……。
 お泊まり会は幼稚園で行ないましたが、今回は、まったく知らないところでのお泊りです。それでは、子どもたちのようすをどうぞご覧ください。

2005. 1. 21. Fri.
 13:30。大きなリュックと期待と不安を抱え、14人の主役たちがJR小田原駅のホームに集合しました。
 小田原駅―――(JR(25分)) 熱海駅―――(タクシー(15分)) 熱海港―――(ジェットフォイル(高速船)45分)大島
 電車にタクシー、そして高速船と、いろいろな乗り物に乗って大島へ……。中でも感動が大きかったのが高速船で、「すごーい!」「あれ乗るの?」「船、初めてでうれしーい!」と歓声が上がっていました。昨年まではシーガルという船で60分かけて行っていたのですが、今年は点検のため、ジェットフォイルという船に乗ることができました。なんと45分で到着!! 海上を進むそのスピードに、子どもたちも驚いていました。

おかいもの
 大島に着いたら、まずはお買い物。一人500円のお小遣いを持って、お土産やさんの中へ。「これ買える?」「これとあれは?」と先生に聞きながら、お店の中を行ったり来たり、迷いに迷っている子どもたちでした。買い方や買った物はまさに十人十色で、できるだけ500円を使い切ろうとする子がいれば、一つ買って、そのおつりを死守しようとする子がいたり、お母さんへのおみやげを選ぶ子がいれば、自分へのおみやげを探すのに必死の子がいたりと、とてもにぎやかな「おかいもの」でした。

みはらやま
 たっぷり時間をかけて買い物をしたあとは、迎えに来てくださった、泉の家の古谷先生の車に乗り、三原山へ。「ここはね、ずっと道が続いていたんだけれど、山が噴火して道がなくなっちゃったんだよ」と古谷先生がお話してくださいました。山を少し登り、好きな形の溶岩を拾い、持って帰りました。夕日がとてもきれいで、なんとも感動的でした。また、遠くに富士山を見ることできました。

おんせん
 三原山を堪能したあとは、バスで温泉に行きました。お友達とワイワイガヤガヤとお話ししながらのお風呂は、とても楽しいひと時でした。露天風呂にも入りました。

いずみのいえ
 温泉で汗を流したあとは、泉の家に移動し、夕食です。泉の家に着くと、古谷先生の奥様がすでに夕食の準備をして待っていてくださいました。
 いつものように、歌を歌って、みんなでお祈りをしてから、いただきました。メニューは、鳥の照り焼き、みそ汁、マッシュポテト、あしたばのシーチキン添え、絶品! メダイのお刺身丼。
 おなかをすかせていた子が多かったようで、「おかわり!」「私も!」「僕も!」と、多くの子がその味に酔いしれていました。

よるのプログラム
 夕食後は、子どもたちが意見を出し合って決めた夜のプログラムです。最初に冬の花火を楽しみ、次は、ドキドキワクワク、そしてゾクゾクのきもだめしです。例年同様、泉の家の宿泊させていただく建物の周りを一周してくるコースだったのですが、外灯は一つもなく、部屋の明かりを消せば本当に真っ暗で、その真っ暗な状態できもだめしをしました。お泊まり会の時よりもバージョンアップした感じに思えましたが、バージョンアップしていたのは子どもたちのほうでした。お泊まり会の経験が力になったようで、「一番に行ってくれる人?」と聞いたときに、半数以上の子が「ハーイ」と元気よく手を挙げていて、その表情はもはやきもだめしとは結びつかないものとなっていました。全員が無事にきもだめしを終えたあとは、明るいお部屋に入り、かるた、トランプ、ウノの3種類のカードゲームをして遊びました。どのゲームも一区切りついたところで、着替えて、「今日も守ってくださったこと、明日のこと」を神様にお祈りして、お布団の中へ。
 そして……
 「おやすみなさい」
 ZZZZZ

1. 22. Sat.
 6:00 長く暗い夜が明け、起床です。洗面を済ませてから、みんなで一つの円になり、朝の礼拝をしました。夜の間も神様が一緒にいてくださって、守ってくださったことを感謝しました。礼拝後、泉の家の展望台に登り、朝日を見に行きました。天候もよく、とてもきれいで力強く輝く朝日を見ることができました。その輝きに、子どもたちもバッチリと目を覚ましていました。

あさごはん
 朝食は、古谷先生と奥様が作ってくださいました。メニューは、ウィンナーパン、スクランブルエッグ、トマトサラダ、牛乳、野菜スープ、バナナでした。朝食でもまた、おかわりの子が多くいました。
 食後は、歯磨き、トイレ……。仕度ができたら、リュックサックを持って泉の家の前に集合です。そして、お世話になった古谷先生と奥様に「ありがとうございました」を言って、泉の家を出発です。

おおしまこうえん
 泉の家のすぐ横は、もう大島公園です。ヤシの木や椿など大きな木に囲まれた道は、まるでジャングルのようでした。子どもたちも「ジャングルだ」「おっきい木だね」「何ていう名前の木?」と、見慣れない景色に目を輝かせていました。
 しばらく歩いていくと、芝生の広がる休憩ポイントに到着。そこからは海がとてもきれいに見えて、子どもたちも思わず「ワー」っと開いた口がふさがらないようすでした。
 ――そして、待ちに待った動物園に着きました。

どうぶつえん
 動物園に入るとすぐに出迎えてくれたのがキョンでした。この動物のことは、お兄ちゃんやお姉ちゃんの話を聞いてか、子どもたちは本当によく知っていて、「あっ、キョンだ!」と一人の子が指さすと、「これは見逃せない!!」と言わんばかりに、「どこどこ?」と集まり、いつの間にかひまわりの種(えさ)をあげている子どもたちでした。この動物園は、キョンをはじめ、クジャク、シチメンチョウ、リスなど数種類の動物が放し飼いになっていて、身近に感じ、触れ合うことができました。もちろん他にも、ロバにラクダ、羊、サル、ゾウガメといったたくさんの動物を見てきました。

おやつタイム
 もしかしたら、昨日から待ちに待っていたかもしれないのは、こっちのほうだったのかもしれません。動物園内でおやつタイムです。
 いつでも、どこでも、どんな時でも、おやつタイムは子どもたちにとってまさに至福の時……。さっきまで「もう疲れたよ」と言っていた子も、「おやつ」ということばを聞いて、一瞬にして目の輝きを取り戻していました。

かえりみち
 動物園を出ると、古谷先生が待っていてくださいました。車に乗せてもらい、ジェットフォイルに乗るために港に向かいました。車内の子どもたちのようすはそれぞれ違っていて、さすがに疲れが出て眠ってしまった子もいれば、行きと変わらず、……いや、行き以上に興奮して、おしゃべりしている子もいました。
 港で古谷先生に「ありがとうございました」を言ってから、ジェットフォイルの船内に入り、用意していただいた昼食(おにぎり、チャーシュー、ブロッコリー、ミニトマト)をいただきました。行きは見られなかったのですが、帰りはイルカが宙を舞う姿を船の中から見ることができました。
 電車の中での子どもたちの表情には、疲労感、安心感に加えて、達成感も感じられました。

さいごに……
 昨年に引き続き、延期というアクシデントを乗り越え、無事に14人全員が出席することができ、また、帰ってくることができました。アクシデントを乗り越えた子どもたちに、神様はすてきなプレゼントをくださいました。それは、天候(おかげで、至る所で最高の景色を見ることができました)、きれいでダイナミックな夕日と朝日、船から見ることができたイルカ、そして健康です。また、海も穏やかで、子どもたちも酔うことはなく、行ってくることができました。お祈り、どうもありがとうございました。

 夏に行なわれたお泊まり会にも似た今回の卒園旅行ですが、子どもたちにとっては、遠くに行くこと、知らないところにお泊まりすることが大きな不安となっていたようです。しかし、その不安よりももっと大きなものに子どもたちは気づいているはずです。それは、"仲間"の存在です。仲間といる楽しさ、心強さが大きな不安を小さくし、いつの間にか不安な気持ちに打ち勝っていたのです。たくさんの思い出とともに、友達の存在の大きさ、大切さを十分に感じることのできた旅行だったように思います。
 最後に、信頼して子どもたちを送り出してくださった皆様に感謝したいと思います。





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