こひつじひろば  2007年度6号




すくすくと――流れのほとりに植えられた木のように――
〜おもしろい〜
 記録破りの暑い夏も終わり、2学期がスタートしました。色が黒くなり、心も体も一回り大きくなった子供たちは、久しぶりに友達に会えて大はしゃぎでした。 一人一人のやりたい遊びを考えながら、プレイデイを1学期の保育の延長線上に考えて取り組みました。
 今年のプレイデイのテーマは、みどり組の4、5月の絵本に決まり、絵本のストーリーを思い出しながら楽しみました。こひつじのプレイデイは楽しいと言って毎年来てくださる方があり、卒園生もおおぜい参加してくれて、懐かしくうれしく思いました。
 子供たちは、二つのチームに分かれてがんばった障害物競走のケーキ運びに燃えました。あか組はあか組なりに楽しみます。き組になると、少し早く走らなくてはという思いが出てきます。みどり組は、何とか勝ちたいという気持ちで真剣そのものの顔つきです。けれど、上手にできない年少や年中の子供たちを責めることなくやさしくフォローし、その分自分ががんばる思いやりが感じられ、こひつじならではのプレイデイだと思いました。これからはプレイデイごっこで全種目を楽しむことになりますが、これもまた楽しみの一つです。

"あこがれ"への挑戦
 園の行事にはみどり組しかできないことがいくつかありますが、き組やあか組の子供たちから見ると、プレイデイの鼓隊ほど輝いて見えるものはほかにないのではないかと思います。
 5月、初めての練習であこがれの太鼓を前にしてあふれんばかりの笑みを浮かべていた子供たち。しかし現実は厳しく、練習が進むにつれて時間が延び、レベルも高くなり、曇り始めた表情の子供たちからは「疲れたぁ」「おもぉた〜い」という本音や弱音も聞かれるように……。
 けれど、あこがれへの挑戦をあきらめようとする子供はいません。どんなに疲れていても、りか先生の「もう1回だけやろうか?」という言葉に首を縦に振り、一生懸命に取り組みました。
 暑い日差しの照りつける原っぱで、時には雨のためにじとじとした狭い室内で、肩に重くのしかかる太鼓のベルトに耐え、気持ちが折れてしまいそうになるときもみんなと一緒に前を向いてがんばってきました。がんばりが大きかったからこそ、プレイデイ当日の19人はとても輝いて見えました。子供たち自身も、あの温かい拍手の中、今までにない達成感を感じたことかと思います。

楽しかったプレイデイごっことプレイデイ
 夏休み明けから、ダンス、かけっこ、障害物リレーと、毎日がプレイデイごっこでした。プレイデイごっこの後、真っ赤な顔でお水を飲みながら、「あ〜楽しかった」「うん、そうだねー」と会話していたり、ダンスの曲をご機嫌で口ずさんでいたり、とても楽しんで満足して過ごしてきました。
 また、「速く走れるようになったよ」「がんばろうね!」という言葉も年少のころより多く聞かれ、やる気が感じられました。
 障害物リレーのケーキ運びは、勝負を意識してドキドキしてしまい、やりたくないと言い出す子供もいました。しかし、次の日にがんばってやっていると、同じチームのお兄さんが「すごい! できるじゃん。速い!」と励ましてくれました。友達や先生たちの温かい言葉に支えられて一生懸命がんばる姿にはとても感動しました。
 当日、園庭と違う広い養護学校の校庭に場所が変わっても不安になることなく、お父さんやお母さんと離れてプレイデイを楽しめたのは、やっぱりき組さんだと思いました。みどり組の堂々とした鼓隊をあこがれのまなざしで見つめていた子供たちは、きっと、今度は自分たちがという思いでいたことでしょう。来年、さらに成長している子供たちの姿が楽しみです。

初めてのプレイデイ
 夏休みが明けるとすぐにプレイデイの練習が始まりました。毎年のことですが、この時期はお天気との戦いです。台風に始まり、激しい残暑と戦いながら、小さな体でお兄さんやお姉さんたちの真似をしてがんばっていたあか組さん。とはいっても、最初は本人たちも今何をしているか(やらされているか?)わからないで練習に参加し、「プレイデイ楽しみだね!」と言ってもポカーンとしたようすでした。何もかもが初めてのことなので、なかなかイメージできないのです。
 練習の回数を重ねていくと、「今日はダンスする? ケーキ運ぶ?」と先生に尋ねたり、一番に走りたがったり、イメージできなくても練習を楽しむようになっていきました。
 本番当日は、いつもの園庭ではない養護学校の運動場。最初は緊張顔の子供たちも、とくいのミッキー体操で笑顔を取り戻し、がんばれました。プレイデイはお昼過ぎまでで、あか組さんには長い時間でしたが、疲れても最後まで全員が参加できたことはすごいことです。涙がポロリと落ちちゃった子も、お母さんと一緒に参加した子も、それはあか組らしいかわいらしい姿。その分、来年振り返ったとき、「去年はあんなだったのに」と大きく成長したことを実感することができると思います。小さな体でかんばる姿がとても輝いて見えた一日でした。





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