こひつじひろば  2007年度7号




すくすくと――流れのほとりに植えられた木のように――
〜ありがとう〜
 人は社会性を持つ生き物です。他人のことが考えられるようになって初めて、自分のことを見られるようになります。社会性が人を育てるのです。子供にとっては家庭が初めて出会う社会であり、園はその次に出会う社会です。園では、家庭では経験することができない出会いがあり、うれしさ、悲しさ、寂しさなどのいろいろな感情が育ってきます。人が他人のことを考えられるようになるには、自分が愛されていると知ることが大事です。
 いつも神に感謝し、周りの人たちに支えられて生きていることを知って感謝する心が育ってほしいと思います。
 プレイデイに向けてのみどり組の太鼓の練習は暑い中で行なわれ、重たい太鼓をつけてがんばる子供たちを励ますためにカルピスを作ってあげていました。先生たちの声かけもあるのですけれど、毎年、「先生、ありがとう」と次々と言いに来ます。これが大事なことだと思います。お芋掘りに行ったときには、掘ったお芋をその日のうちに蒸かして食べました。今回も、蒸かし芋2回、お芋の蒸しパン、スイートポテトもどきお芋ケーキを作ったりしましたが、そのたびに、あっちからこっちからてんでに「ありがとう、おいしかったよ」と声がかかります。感謝の心は周りをなごませます。感謝の心を素直に表わす子供になってほしいと思います。

SOCCER 〜だい1かい ミドリカップ〜
 口癖のように「暑い、暑い」と言っていた先月から一転、すっかり涼しい陽気になり、過ごしやすい秋の到来を感じます。「秋」と言えば、食欲、スポーツ、読書、紅葉などなどさまざまなことが連想されますが、今回はその中のスポーツに着目し、「だい1かい ミドリカップ」と題し、クラスでサッカー大会を開催しました。
 運動が好きな子も嫌いな子も、体を動かす楽しさを感じ、そして新しい自分を発見するチャンスです。大会は4チームのトーナメントで行なわれました。主導権を握ったのは、やはり普段から好き好んでサッカーをしている男の子たちで、パワーとスピードで圧倒! 自信たっぷりにプレーする姿が印象的でした。普段は室内中心に遊んでいる子も、負けじと彼らに食らいつき、一生懸命ボールを追いかけます。ゴールこそ奪えなかったものの女の子もはつらつとプレー! 予想以上の盛り上がりを見せ、女の子たちのルールの理解力とアグレッシブさに驚かされました。なお、優勝はチームワーク抜群の「あかチーム」でした。

秋の遠足 〜富士サファリパーク〜
 大型バスに乗り、みんなでサファリパークに行きました。サファリパークに着くと、早速バスでサファリゾーンに入っていきました。暗い雲が広がり、小雨が時々降るあいにくのお天気でしたが、それがよかったようです。夜行性の動物たちが元気な姿を見せてくれました。「先生、くまが木に登っているよ」「こっちに茶色のくまだ!」「うんちしながら歩いてる」「すごい!」と、どの子も目を輝かせて動物を探して喜び、楽しみました。途中、ライオンが道の真ん中に立ち往生して係の方に車で追い払われたり、バスのすぐ横を次々に通ったきりんたちがバスの中をのぞいて子供たちにあいさつしてくれたり、こんな間近で動物を見ることができ、本当にラッキーでした。
 数日後、ある子が「先生、見て!」ときりんの絵を描いて見せてくれました。きりんの感じがよく出ており、感動して実物を見たことがその絵から伝わってきました。また、サファリパークだと言って、砂場でなぜか大きな山をみんなで協力して作っている日もありました。共通の経験が遊びにつながり、共に楽しんでいる姿を見て、みなで一緒に行って同じ感動を味わうことのすばらしさを改めて感じました。

お芋掘り 〜食欲の秋〜
 秋も深まり、過ごしやすい気候になりました。この時期は、子供たちが楽しみにしている行事がたくさんありますが、あか組さんがいちばん張り切っていたのがお芋掘り! 今回も、香川さんのご好意でサツマイモ掘りができて感謝でした。当日は、とっても不安なお天気の中、園を出発しましたが、そんな曇り空を吹き飛ばすほど、子供たちは元気でした。「○○ちゃん、あか組なのに私を引っ張ってくれてる! すごいね!」なんて、みどり組の気の利いた励ましでがんばって歩くあか組の姿はかわいらしくもあり、たのもしくもありました。
 畑に着くと早速お芋掘り。「土をよく掘って!」と香川さんに教えていただいたのですが、我慢できずにびくともしないツルを一生懸命引っ張る子供もいれば、虫に気を取られてすっかりお芋掘りどころではなくなってしまった子もいたりと大騒ぎでした。掘り進んでいくと、あちこちで「あったー!」という歓声が聞こえ、まるで宝探しをしているような子供たちでした。園にお芋を持って帰ると、すぐに蒸かし芋にしてもらい、「甘〜い!」「もっと食べたい」と言って、「食欲の秋」を存分に味わうことができました。





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