こひつじひろば  2007年度11号




すくすくと――流れのほとりに植えられた木のように――
〜たのしみだね〜
 暖冬と言われたこの冬でしたが、例年にない寒さが続いて、春が待ち遠しく思います。そのような中でも、少しずつ春の兆しが感じられ始めました。
 1年間を振り返るときでもありますが、心から楽しかったと思える特別な日々がたくさんあったことを思い出します。子供たちの感情を豊かにし、大きく夢を膨らませ、希望を持って歩むすばらしさを体験してきました。生活も遊びも人間関係も安定したこの時期は、活動を通して自分を表現するようになり、思いがけない成長の姿を見てうれしく思うことが多くあります。年長児をあこがれの目で見たり、年少児へのいとおしさを感じたり、してもらったりしてあげたり、小さな園ならではのかかわりの温かさを感じます。
 神様が私たちに示されたのは、一人一人が神様の前では尊い存在であること、だれをも愛し受け入れ、ゆるし合って生きることです。園生活の中からこのことを経験し、礼拝をささげることによって神様の一人一人への愛と守りを感じ、イエス様に希望を向けて歩める幸いを感謝します。卒園した後もこのことが子供たちの心の中に残され、こひつじで過ごした時を「楽しかった」と懐かしく思い、心のふるさとのように思われていることを聞くたびに、うれしく、感謝でいっぱいになります。

夕食会 〜夜の幼稚園はレストラン〜
 2月6日。先生からうさぎの顔のついたかわいいお手紙がみどり組の子供たちに手渡されました。そこには黒い紙が入っていて、「ゆうしょくかいに きてください」の文字が……。そうです、それは先生からの夕食会の招待状だったのです。
 さて、時間がたち日が暮れ始めてきたころ、昼間の保育を終えた19人の子供たちが再びこひつじ学園に集まってきました。そこで子供たちの目に飛び込んできたのは、きれいに並べられた机に、たくさんのごちそう、さらにおしゃれな音楽……。いつもの幼稚園とは違った、ちょっとすてきな幼稚園でした。ご招待を受けた子供たちはすてきにドレスアップし、お花を1輪持ってお部屋の中へ。昼間とはあまりにも違う雰囲気に、「すごーい、レストランみたぁーい!」と驚きの声が上がっていました。メニューは、ライス、ポテト、ウィンナー、ブロッコリーなどなどもりだくさん。デザートにはアイスも用意されていました。
 食事のあとはみんなで片づけ、お楽しみタイムのスタートです。里香先生のピアノに合わせてじゃんけん列車をしたり、先生の手品を見たり、楽しいひと時を持つことができました。

みんなで演じた『どうぞのいす』
 1月末から、秋に作ったお面をつけて『どうぞのいす』ごっこをしました。一人一言のせりふと歌の小さな劇ごっこです。1度やると、次のクラスの時には「今日も『どうぞのいす』やりたい」と楽しみにしていたり、「もうせりふ覚えちゃったよ。聞いてて!」とだれかが言うと、「ぼくも!」と次々にせりふを覚えて聞かせてくれたりしました。「すごいね。今度、あか組さんやみどり組さんに見せてあげる?」と聞くと、「いいよー!」そこで、立て札やロバがお昼寝するための木を作りました。また、「はちみつは黄色い綿にしよう!」などと自分で考えながら、簡単な小道具もできました。
 そして、き組全員出席のお帰りのとき、みんなの前で劇をしました。お客さんがいることでとても張り切っていました。いつもなら先生の顔を見ながらせりふを確認している子も、お客さんのほうを見てしっかり言えたり、ちょっと恥ずかしくて顔を赤くしながらも大きな声でせりふが言えたり、難しいと短くしたせりふをもともとの長さでスラスラ言ったり、子どもたちの姿にとても驚きました。全員が自分の役をしっかり演じることができ、とても楽しい劇になりました。その日は、みどり組の半分以上が小学校に行ってしまっていなかったのが残念でしたが、お客さん皆が静かに見てくれて、喜んでくれて、大きな拍手をもらえて、うれしそうでした。子供たちにとって大きな自信となり、また一つ楽しい思い出になったことと信じています。

あか組のパン屋さん
 今月のあか組さんの絵本は『カラスのパン屋さん』でした。チョコ、りんご、レモン、おもちちゃんの4匹のかわいいカラスの子供たちがパンを作るお話です。今回、このカラスの子供たちのように、あか組のみんなも小麦粉粘土でパン作りをすることにしました。小麦粉、塩、水を少量ずつ入れてこねていき、耳たぶぐらいに柔らかくなったら油を加えて完成です。始めはニコニコ作っていた子供たちですが、生地がなかなかくっつかなかったり、水を入れすぎてべちゃべちゃになったりして悪戦苦闘。こねるよりも、手にくっついた小麦粉を取るのに夢中になる子も……。
 それでも何とかできあがった小麦粉で次はパンの形を作りました。ここからは子供たちの本領発揮です。粘土遊びの型抜きを使って「ゾウさんパン」「ひよこパン」など形にこだわる子もいれば、「メロンパン」「チョコパン」など正統派のパンにこだわる子、「○○ちゃんパン」なんて人の形のパンを作る子、こねるのが楽しくて時間ぎりぎりまでこねている子もいました。
 形が出来上がって乾かすと、次は色塗りです。「パンの色は何色?」と聞くと、「茶色」「ピンク(!)」などいろいろな意見が出ましたが、みんなで「メロンパン色の茶色」「チョコ色の茶色」「あんこ色の茶色」といろいろな「茶色」を混ぜて作り、塗っていきました。完成したパンは色も形も9人9通り。それぞれの個性が輝くおいしそうなパンができました。





■TOPへ   ■こひつじひろばTOPへ