新年度がはじまって2か月、子供たちも新しい生活に慣れてきた感じです。緊張もとけ、いろいろなことがわかって不安になったり、何をするかがわかってきたためにやりたがらなくなかったり、仲間とのかかわりも増す分、子供同士のトラブルも多くなってきたりします。今まで自分のことだけで精一杯だった子供にとっても園生活の流れが自然になり、進級した子供にとっても、新しい子供たちを迎えて一緒になって生活することがあたりまえの日々になってきて、年長の子供たちも、年長らしく感じられるようになりました。 朝や帰りのしたくの時、なかなかできない年少の子供たちの所に近づいてきて、「やってあげようか」とやさしく声をかけ、手伝ってくれている姿も見られるようになりました。周りの友達にも目を向け、小さい人たちやさしく手を差し伸べてあげる気持ちがうれしいです。 友達関係の中にあっても、仲良しのお友達と外で遊びたいけれどもその友達は絵を描きたいと言った時にどうしていいかわからず、経験のない子供は泣くしかなかったりする場面があります。この時こそその子の心を受けとめ、「いじわる」ではないこと、いろいろな思いや考えのあることを知るように教え、たくさん経験させてあげて、幅広く遊べるようになってほしいです。 |
暖かい5月のある日、生まれて1か月の薄茶色のうさぎの赤ちゃんが園にやってました。慣れるまでは職員室の中のキャリーケースの中で静かに飼っています。そのうさぎの名前を付ける特権がみどり組に与えられました。 みどり組だけ「エマオルーム」に集まって、まずうさぎを観察することにしました。静かにしないとびっくりすると承知している子供たちはみんな息を潜めてしばらくうさぎを見つめていました。耳の後ろを足で掻いたり、ピョンと跳ねたりする仕種に思わずにっこりでした。事前に、雄であること、ケースの上にかけていたバスタオルをひっかいてボロボロにしちゃういたずらなところもあると話しておきました。思い浮かんだ名前を聞くと、こころ、アトラス、ピース、ピーターパンと挙げられました。その中から多数決で決めることとなり、「ピース」に決定しました。そして、小さなうさぎに小さな声で一斉に「ピース!」とみんなで呼びかけてみました。「き組さんとあか組さんにも教えてあげなくちゃね」と話すと、意気揚々とお部屋の外に出て行き、「うさぎの名前はピースだよ!」と大声で知らせたり、仲良しのお友達に「ねえねえ、聞いて! うさぎはピースだよ」とうれしそうに教えてあげていました。これからピースはたくさんの喜びを子供たちに与えてくれるでしょう。今は早く抱っこできる日を楽しみにしています。このピースをみんなでかわいがって大切に育てていきたいと思います。 |
少し日差しも暑いくらいに感じるようになり、気持ちのよいお天気が続いています。そんなある日、待ちに待ったどろんこ遊びをすることができました。初めての子たちは先生に手伝ってもらいながら着替えをし、他の子は自分で身支度を整え、半袖半ズボンの姿になります。 先生とどろんこ遊びのお約束を確認して園庭に飛び出すと、砂場に直行する子、水をくみ出す子、泥水に足を浸して「気持ちいい〜!」と喜ぶ子と反応はさまざまでした。そのうち、砂場ではみどり組とき組の男の子たちが主体となって「工事ごっこ」が始まり、大きな穴に水を貯めてそこから道を作り、川を作っていました。水場近くでは、べったり座り込んでバケツに泥を入れて乾いた砂も混ぜて形を作り、クッキー屋さんや泥団子屋さんをしていました。水場から園庭の外に水が流れる道が自然にできると、ダムにしたり分かれ道を作ったりもして、それぞれの子供たちが思い思いにアイデアを出して楽しんで過ごしていました。 その時の土の感触や冷たさ暖かさ、そして普段できないどろんこ遊びをした気持ちの解放感は、子供たちにとって大切な経験となったことと思います。 |
子供たちがあか組さんになって1か月以上たちます。その間に遠足、歯科検診、ピクニックなど多くの行事がありました。あか組の子供たちは本当に初めてのことだらけですが、楽しく毎日過ごしています。5月になって始まったのはお弁当です。あか組さんの子は、最初は全部は食べられないのかなと少し思いましたが、初日は全員が完食するという驚きの事態になり、次の日も、その次の日も、「全部食べた」という子ばかりで正直ビックリし、同時にうれしく思いました。最近は「これ食べられない」という子もチラホラ出てきて、そのたびに「じゃあ、これだけがんばろう」など励まし、少量ずつ分けて食べるよう促しています。そうすると「食べられない」と言っていた子が、がんばって食べるんです。中には、それで全部食べてしまう子もいます。「全部食べることができた」という達成感を味わい、体も心も大きく成長していってほしいと思います。 |